シマエナガの雛たちが枝に並ぶ“シマエナガ団子”は、巣立ち直後にしか見られないと思っていましたが、中村登流(なかむらのぼる)大先生の「信州の自然誌 エナガの群れ社会」(信濃毎日新聞社)を読み返して勘違いだったことに気付きました。以下、引用です。
巣立ちしたヒナは、はじめの数日間は行動力も弱く、茂みの中に隠れていることが多い。その中からヒナが大声で呼ばない限り親は近づかない。ヒナは空腹を感じると、藪の上の方に出てきて大声で呼ぶのである。しかし一週間もすると、ヒナたちも行動力が出てきて少しくらいなら飛べるようになる。そうなると集まってきて、ねぐらで並ぶように横枝に並列し、親から給餌を受ける。給餌を受けながら休んでいる。目をつぶって、首を縮めて眠ったふりもする。こっくりこっくりと頭を下げているのもいるし、首を後ろへ向けて背の羽毛の中にくちばしを入れて眠るものもいる。目覚めて列をほどき、移動してはまた並びかえる。こういうことを、一日中繰り返すのである。
出典:中村登流(なかむらのぼる)「信州の自然誌 エナガの群れ社会」(信濃毎日新聞社)
インターネットの情報によると、2015年5月30日(月)に札幌市内でシマエナガの雛が確認されています。正確な巣立ち日はわかりませんが、そろそろ飛べるようになっているはず。となると、上記のような行動を取る段階に入っていると思われます。
おそらく6月中旬ごろまでは、シマエナガ団子を見れるチャンスがあるんじゃないでしょうか。
雛はまだまだ満足に飛ぶことができないので、1日の総移動距離は1キロ程度。夜明けとともに塒(ねぐら)から出て移動を開始し、少しの距離を進んでは枝に並んで休み、親またはヘルパーからの給餌を受けます。これを繰り返して18時過ぎにまた塒へと帰ってきます。日中のほとんどの時間を枝に並んで過ごす雛たち。生い茂る木々を注意深く観察すれば、ぎゅむぎゅむに並んだ雛たちを見つけることができるかもしれません。
ちなみに雛の鳴き声はピーピーピー。移動時に大きな鳴き声を出すそうですが、枝に並んでいるときは静かなので、鳴き声をたよりに探すと見落とすかも。